言葉と文化の力で子どもたちを笑顔に。
地域に合わせた、「多文化保育」の実現に向けて

会社概要

【医療・福祉(児童福祉事業)】

社会福祉法人しゃかいふくしほうじん 愛信あいしん福祉会ふくしかい 愛信あいしん保育園ほいくえん

設立年月日 1979年6月1日
住所 大阪府大阪市生野区中川西2-5-15
資本金 200万円
社員数 37名(パート保育士・保育補助含む)
URL http://aishin-hoikuen.com
外国人材採用の有無 有り 12名(国籍:韓国、朝鮮)
参加したインターン生 1名
・流通科学大学 3年生(ベトナム)

TRY in OSAKA!
インターンシップスケジュール

  • 1日目

    1. 保育園施設の見学、保育士の補助業務体験

  • 2日目

    1. 保育士の補助業務体験、多文化保育への理解と実践

  • 3日目

    1. 保育士の補助業務体験、保護者対応、保護者への配布物(行事案内、お知らせ等)の翻訳

  • 4日目

    1. 保育士の補助業務体験、保護者対応、保護者への配布物(行事案内、お知らせ等)の翻訳

  • 5日目

    1. インターンシップの振り返り

インターンシップ導入企業紹介

インターンシップ導入目的

国籍の多様化が進む地域で、園と保護者をつなぐために

インターンシップを導入しようと思ったきっかけを教えてください。

当園がある大阪市生野区は、もともと韓国・朝鮮・中国にルーツを持つ家庭が多い地域でしたが、近年はベトナム・ネパール・フィリピンなどの家庭も増え、さらに多様化が進んでいます。こうした地域の変化に伴い、当園でも外国籍の園児が年々増加し、現在、全体のおおよそ30%にあたる約40名の園児が外国籍です。

そのような中、当園では「多様性を尊重し 生きる力を育む」という理念のもと、「違いを受け入れ、その豊かさに気づくことができる保育」というものを大切にしてきました。たとえば、毎朝の挨拶では、韓国・朝鮮、ベトナム、フィリピンなど、それぞれの園児の母語に合わせて挨拶を行っています。こうした関わりを通して、園児同士でも、日本語が分からない子に対し、同じ国籍の子が通訳をしてあげたり、母語でのやり取りを他のルーツの子に説明したりと、異文化を自然に受け止めながら関係を広げる姿が見られるようになりました。

一方で、我々職員と外国籍の保護者とのコミュニケーションには課題を感じていました。配布物を通して、日常の様子の共有や行事案内、書類提出のお願いなどを行っているものの、こちらの意図が正確に伝わらず誤解を招いてしまうこともあったのです。そこで、この課題を解消する手段の一つとして、外国人材の方を採用し、園と保護者の「架け橋」になってもらうことはできないかと検討を始めました。

ちょうどその頃、別業界ながら外国人材採用に積極的な企業の人事担当の方と知り合う機会があり、当園の状況を相談したところ、「まずはインターンシップで効果を検証してみてはどうか」と「TRY in OSAKA!」の事業を勧めてもらいました。そこで、園児の国籍別割合が最も高いベトナム国籍のインターン生を受け入れ、現場にどのような変化が生まれるかを確かめることにしました。

園の保育理念は、「多様性を尊重し 生きる力を育む」こと。地域に愛される保育園。

活動内容

園児や保護者との関わりを通じ、「多文化保育」の現場を体験

どのようなインターンシップを行いましたか?

今回のインターンシップでは、保育の現場を実際に体験しながら、園児や保護者との関わり方を学んでもらうことを重視しました。まず、園児と接する際に大切にすべき視点や注意点を理解することを目的に、ベトナム国籍の園児が多い4歳児クラスで担任保育士の指導のもと、園庭遊びの見守りや身支度の介助など、基本的な保育活動を体験してもらいました。

また、保護者対応についても体験の機会を設けました。事前にベトナム国籍の保護者に対し、ベトナム人留学生がインターンシップに来るということをお知らせし、保護者の方々からも積極的にお声がけいただけるような雰囲気を作るよう心がけました。今回のインターンシップの実施時間は朝から正午にかけてだったため、保護者の方々にとっては慌ただしい時間帯でもあり、踏み込んだ相談に発展したケースはあまりありませんでしたが、保護者の方から「日本に留学で来たのね」「インターンシップはいつまで?」「がんばってね」といった声がけが自然に生まれるなど、徐々に保護者とインターン生の距離が縮まっていく様子が見受けられました。

あわせて、保護者向けの行事案内やお知らせ等の配布物をベトナム語に翻訳する作業もお願いしました。日本語で「何を、どのように伝えているのか」を把握したうえで、それを「ベトナム語でどのように表現するか」を考えてもらうという形で進めました。時には職員に質問しながら、日本語特有のニュアンスをどう伝えるかを真剣に考え、1枚のお知らせを完成させるという目標をしっかりと達成してくれました。

保護者向け配布物をベトナム語に翻訳するグエンさん。

インターンシップ導入後の変化と成果

インターンシップで見えた、外国人材の可能性と保育現場の未来

インターンシップ受入後の変化や成果はありましたか?

今回、インターンシップを導入したことで、園児たちに大きな変化が見られました。インターン生の受け入れによって、特にベトナム国籍の園児たちが喜んでいる様子がはっきりと伝わってきました。なかでも印象的だったのは、日本語の理解が難しい園児の心境の変化です。今回インターン生が体験に入ったクラスには、日本語がほとんどわからない園児が一人いて、普段は他のベトナム国籍の園児が通訳したり、保育士が簡単なベトナム語を交えたりしながらコミュニケーションを取っていました。しかし、インターン生が来るようになってから、その園児は登園するとすぐに駆け寄って甘えるようになり、表情もみるみる明るくなっていったのです。幼い子どもは比較的環境に順応しやすいと思っていましたが、言葉が通じない状況の中で、その園児はやはり寂しさや不安を抱えていたのかもしれないと気付かされる出来事でした。

5日間という短期間ではありましたが、母語でコミュニケーションが取れ、文化的背景を理解している人材の存在が、園児や保護者の安心感につながったことを実感できたのは大きな収穫でした。こうした効果を踏まえ、当園では外国籍職員の採用について本格的に検討を進め、まずはアルバイトやパートタイムから段階的に受入れていきたいと考えています。

今後、日本に住む外国籍の方が増えるにつれ、保育現場でも多国籍な人材がますます求められるようになるでしょう。保育士資格は国籍に関わらず取得できることを考えると、将来的には外国籍の保育士が活躍する環境が当たり前になっていくのではないかと感じています。当園としても、多様性に対応できる保育園づくりをこれからもどんどん進めていきたいと思います。

左:社会福祉法人 愛信福祉会 愛信保育園 主任 石川 彩 氏
右:社会福祉法人 愛信福祉会 愛信保育園 園長 高 典子 氏

インターン生の声

語学力だけじゃない。自分の存在が誰かの笑顔につながる「やりがい」が進路を拓く

なぜこのインターンシップに参加しようと思いましたか?

私が通っている大学では、日本での就職を希望する学生に対して、インターンシップへの参加が推奨されています。私自身も将来は日本で働きたいと考えているため、実際の職場を体験しながら「自分に合う仕事は何か」を確かめようと思い、3年生の夏休みに複数のインターンシップに参加しました。求人サイトから応募したり、大学からの紹介を受けたりしながら、自動車メーカーやスーパーマーケット、その他メーカーなど幅広い業界を経験する中で、最後に参加したのが愛信保育園のインターンシップでした。「TRY in OSAKA!」のインターンシップの説明会で、ベトナム国籍の園児や保護者が多い保育園であると知り、自分の日本語とベトナム語のスキルを活かして現場の役に立てるのではないかと感じ、応募を決めました。

インターンシップでは園児たちと直接触れ合うことも体験。

インターンシップで得られたことを教えてください。

私が今まで参加したインターンシップはどれも学びがありましたが、愛信保育園での経験は、園児・保護者・職員の「架け橋」として自分が役に立てている実感があり、特にやりがいを感じました。登園すると園児たちが嬉しそうに迎えてくれ、一緒に遊ぶと笑顔を見せてくれるので、「自分の存在が安心や楽しさにつながっている」と感じられたことが、何より印象に残っています。

また、保護者向けのお知らせを翻訳する中で、日本語とベトナム語の違いを改めて実感しました。日本語の敬語や婉曲表現など、相手への気遣いをどのように自然なベトナム語に置き換えるかで悩んだり、日本語では長い文章がベトナム語だと短くなってしまうため、内容が抜け落ちていないかを繰り返し確認したりしました。単に言葉を置き換えるのではなく、その背景にあるニュアンスや思いまで伝える大変さを学びました。

これまで子どもと接する現場で働くという選択肢は考えたこともありませんでしたが、今回の愛信保育園でのインターンシップを通じて、子どもに関わる仕事や教育への関心が芽生えました。長期的にキャリアを築ける点や、やりがいの大きさに加え、母国語や日本語などの言語能力を活用できることを考えると、もしかすると自分に一番合う仕事かもしれないと感じています。進路の幅を広げるきっかけになり、心から「参加してよかった」と思っています。

インターンシップに参加したグエンさん。

本事業は、「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用して実施するものです。
大阪府「令和7年度 外国人留学生インターンシップ活用チャレンジ支援事業」は大阪府より株式会社パソナが受託、運営を行っております。

【お問合せ先】
大阪府「令和7年度 外国人留学生インターンシップ活用チャレンジ支援事業」運営事務局(株式会社パソナ)
住所:〒530-0001 大阪市北区梅田一丁目13番1号
メール:tryinternosaka@pasona.co.jp
電話:06-7636-6060(月~金 9:00~17:30) FAX:06-7636-6381
受託期間:令和8年3月31日まで